コラム
電力ひっ迫時代の解決策──データセンターと蓄電池がつくる次世代インフラ構想
【目次】
1.急拡大するデータセンター需要と電力問題
2.インフラ支える送電網整備と電源対策
3.エネルギー不足を補う新しい選択肢「系統用蓄電池」
4.蓄電池で変わる!電力供給とビジネスの未来
5.データセンター需要を支える蓄電池の可能性
6.【まとめ】未来の電力インフラに求められる柔軟性と備え
1. 急拡大するデータセンター需要と電力問題
近年、クラウドサービスの拡大やAI技術の進化を背景に、
日本国内でもデータセンター(以下:DC)の建設が急速に進んでいます。
特に首都圏や関西圏にDCが集中しており、全国の約9割が
このエリアに立地していると言われています【出典:日経ビジネス】。
データセンターの大規模化が進むにつれ、莫大な電力需要が発生しています。
DCは24時間365日稼働するため、地域の送配電インフラに
大きな負荷をかける存在となっており、今後の電力供給の安定性が
重要な課題となっています。
2. インフラ支える送電網整備と電源対策
電力供給問題に対応するため、東京電力パワーグリッド(東電PG)は、
2024年6月に千葉県船橋市と印西市を結ぶ地下送電トンネル(10.1km)を稼働させました。
275kVという超高圧の送電網で、急増するデータセンター需要を見越した
異例の早期施工だったことが注目されています。
このような電力と通信の連携インフラ整備は、今後の電力逼迫を緩和する
重要な一手ですが、それだけでは需要増加をすべてカバーできないのが現状です。
3. エネルギー不足を補う新しい選択肢「系統用蓄電池」
電力需給のバランスを柔軟に保つ手段として、
近年注目を集めているのが「系統用蓄電池」です。
発電所ではなく、電力の“貯蔵”という役割を担うこの設備は、
電気が余った時にため、不足した時に供給するという特性を持ちます。
これにより、地域の電力負荷を緩和し、再生可能エネルギーの出力変動にも
柔軟に対応できるため、安定供給のインフラとして存在感を増しています。
4. 蓄電池で変わる!電力供給とビジネスの未来
蓄電池の利点は、安定した需要と複数の収益機会にあります。
電力市場では、蓄電池によるアービトラージ(価格差益)だけでなく、
以下のような収益が期待できます:
・卸電力市場(JEPX)での売電
・容量市場での供給力提供の報酬
・需給調整市場での調整力提供の報酬
これらを組み合わせることで、従来の発電事業に比べてリスク分散が可能なビジネスモデルとなります。
📈 以下に、蓄電池のビジネスモデルと市場別収益構造のイメージ図を挿入します:
市場 | 対象となる価値 | 収益の仕組み | 特徴 |
---|---|---|---|
卸電力市場 (JEPX) |
kWh価値 | 価格差を活用して安値で仕入れ・高値で売電(アービトラージ) | 市場価格に応じて日々収益が変動 |
容量市場 | kW価値 | 将来の供給力確保のため、蓄電設備の容量に対して報酬 | 予測可能な固定的収入が見込める |
需給調整市場 | ΔkW価値 | 短時間の充放電対応で系統のバランス調整を担い、報酬を得る | 即応性が高い蓄電池が有利 |
5. データセンター需要を支える蓄電池の可能性
今後、データセンターの電力需要はますます増加する見込みです。
その支えとなるのが分散型電源である「系統用蓄電池」です。
以下は、**国内データセンターの電力需要予測(仮想)**を可視化したグラフです:
※当グラフは仮想データをもとに作成したイメージです。
🔸このような背景の中で、**初期投資を抑えつつも安定した収益源を確保できる
「共有型系統用蓄電池」**が、新しいインフラ投資の選択肢として注目されています。
6. 【まとめ】未来の電力インフラに求められる柔軟性と備え
デジタル社会の進展とともに、電力需要は確実に拡大していきます。
そんな中、再エネの不安定さを補完し、エリアごとの電力調整力を
高めるための鍵が、系統用蓄電池の導入にあります。
従来型の大型電源や火力発電だけでは対応しきれない時代において、
小回りの効く蓄電池ビジネスは、柔軟性と将来性を兼ね備えた投資対象としても注目されています。
✅ EINSの共有型系統用蓄電池事業とは?
EINSが展開する【共有型系統用蓄電池事業】は、
分散型インフラとして蓄電池設備を複数法人で共有・保有できるスキームを採用しています。
これにより、
🔹 低予算から参入可能
🔹 高収益が期待される事業モデル
🔹 長期での安定運用が可能
といったメリットがあり、
エネルギー分野に初めて参入される企業様でも導入しやすい仕組みになっています。
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※本記事に掲載しているデータ・数値・利回り等の情報は、
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