コラム
【円安加速】1ドル=161円台突破 86年12月以来37年半ぶりの歴史的水準を再更新
外国為替市場で円相場は1ドル=161円台まで円安が進みました。
1986年12月以来、37年半ぶりの歴史的水準を再び更新しました。
市場では、中央銀行にあたるFRBの利下げ時期がさらに遅れるとの観測が拡大。
日米の金利差が当面縮まらないとの見方から、より高い金利で資金を運用しようと円を売ってドルを買う動きが一段と強まりました。
おととい市場から“防衛ライン”ともみられてきた1ドル=160円を突破してからさらに1円円安が進み、
市場では政府・日銀による為替介入への警戒感が高まっています。
歴史的な円安からの乱高下…今後のシナリオを専門家はどうみるのでしょうか。
日銀が金融政策の現状維持を決定した後、4月29日には1ドル=160円を突破し、その後は乱高下が続き、不安定な動きに。
1ドル=230円まで円安が進むというAIの予測も飛び出す中、これからのシナリオはどうなっていくのか非常に関心が高まっています。
日銀の植田和男総裁の就任1年となる4月9日に円安が一段と進み、4月24日には「節目」とされていた1ドル=155円を突破しました。
日本銀行が金融政策の現状維持を決定した4月26日には円安が加速し、瞬く間に、158円台となりました。
これは、最近何度も聞く「34年ぶり」の円安ドル高の水準です。
その後、4月29日には160円まで進んだ一方で、数時間のうちに154円台まで急騰し、
「為替介入があったのでは」という思惑も広がりました。今後もこの円安傾向は続くのか。
専門家は、日銀のホームページ上での金融政策の発表文がシンプルな1枚だったのに驚いたといい、
「『日銀は為替のこの動き(=円安)についていくことはしない』というメッセージが強かったと思います」との見解だそうです。
一方、日銀が金利を上げれば、少し円高に振れるという考えもありますが、
専門家は「やってしまうと泥沼化する可能性もあるので、為替と金利の戦いには、
日銀は乗らないというのが結論なのかなと思います」と分析しています。
[引用:TBS NEWS DIG記事内容より]
元々、日銀は為替のために政策を決めているわけではないという基本があります。
白川方明さんが総裁だった2008〜13年、日本は円高傾向でした。2011年の東日本大震災の時も円高が止まらず、
10月31日には史上最高値となる1ドル=75円32銭となりました。
専門家は「円高が止まらないので、日銀が利下げをしました。ですが、もっと円高が進んで、さらに利下げをして、
ゼロ金利になってしまったので、量的緩和をして、といった
『為替との戦い』だけに集中させられるということを(日銀は)経験しています」と振り返りました。
その上で、現状を見ると、日銀が何もしないのと、少しだけ利上げをするのと、「どちらが良いかは結構、微妙です」との見解。
住宅ローンに関して、アメリカでは固定金利が一般的で、利上げしてもあまり影響がありません。
一方、日本では変動金利が最近は一般的で家計への影響が大きいため、
専門家は「少しずつしか利上げできないと思います」と考察しています。
上記のことも含めて、日銀がなす術はあるのか。そもそも、円安は悪いことなのか…
専門家は「正直、円安が良いのか悪いのかはよく分かりません。私もテレビも新聞も、国民生活の目線になります。
そうすると、輸入価格の負担も大きく、海外に行った時も高いと感じるなど円安の弊害はあります」とする一方で、
「日銀の(目的は)最終的に物価を安定させることなので、
多少、円安になった方がが良いんじゃないかという見方もできます」とします。
2022年には30%ほど円安が進みましたが、その時は企業が賃上げに動いたこともあり、
「円安が止まるのも(日銀は)不安なのかもしれません」と専門家は言います。
「影響が出てきたらもちろん対応するけれど、もう少し様子を見させて、というのも根本にあるんだと思います」とまとめました。
AIが予測する年末のドル円レートは?!「楽観・悲観」二つのシナリオとは…
それは、第一生命経済研究所が2024年4月18日に公開した、AIを活用したドル円レートの予測結果で、
「楽観」と「悲観」の二つに分かれていて、実現するかは全くの未知数ですが、興味深いレポートがあります。
楽観シナリオでは…
▼「政治の安定と国際協力の強化」
▼「経済成長の加速」
▼「地政学的リスクの低減」
上記が進んだと仮定して、2024年末に1ドル=120円の円高になるとしています。
専門家は「昔は、世界経済が良くなって円安になると、どんどんリスクを取り、金利が安い円が売られやすかったです。
今は、世の中がポジティブではなくてネガティブな方にいるので、
そのネガティブな状態からニュートラルになると、
世の中が安定して、為替も安定して、円高に戻るということなのかと」と分析します。
一方、悲観シナリオでは、世界的に
▼「政治的緊張の高まり」
▼「経済的不安定性が増大」
▼「地政学的リスクが増大」
したとして、2024年末に1ドル=230円まで円安が進みます。
こちらについては「情勢が悪化すると、『有事のドル買い』で、やっぱりドルが安心と、
ドルが買われやすいというのが反映されているのかな」と見ているそうです。
[引用:TBS NEWS DIG記事より]
今後の為替相場がどうなるか、たしかなことは言えませんが、二つ以外にも複数のシナリオを作って
企業も個人もそれぞれでBCP対策を打ついい機会なのかもしれません。
突発的な経営環境の変化など不測の事態が発生しても、重要な事業を中断させない、
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