コラム
次世代エネルギーの柱「系統用蓄電池」事業とは? ―収益性と社会貢献を両立する“共有型”モデルの可能性―
脱炭素社会の実現に向けて、今、注目が集まる「系統用蓄電池」。
再生可能エネルギーの安定供給と電力需給のバランス調整という課題を解決しつつ、
電力市場での収益化も可能とする次世代エネルギー事業です。
本記事では、そのビジネスモデルや市場背景、共有型導入のメリットまでをわかりやすく解説します。
【目次】
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系統用蓄電池とは?
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なぜ政府は蓄電池導入を推進するのか
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系統用蓄電池ビジネスが注目される理由
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多様な機能とビジネスメリット
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市場の成長性と今後の展望
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初期費用を抑える「共有型」モデルとは
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まとめ:今こそ、新たなエネルギー投資の選択肢に
1. 系統用蓄電池とは?
系統用蓄電池は、発電と需要のタイミングを調整する「電力のバッファ機能」を果たす設備です。
特に太陽光や風力といった再エネの導入が進む今、昼間に余る電力を蓄え、
需要が高まる時間帯に放電することで、電力需給の安定化を実現します。
2. なぜ政府は蓄電池導入を推進するのか
エネルギー基本計画(第6次)では、蓄電池の導入がエネルギー政策の柱とされており、
2030年以降の電源構成において重要な役割を担うと明言されています。
特に、調整力不足を補う存在として、系統用蓄電池は火力発電に代わる
“第3の発電所”として期待されているのです。
3. 系統用蓄電池ビジネスが注目される理由
系統用蓄電池は、単なる「電気を貯めて売る」だけではない、
多様な価値を提供するエネルギーインフラです。
特に注目すべきは、複数の収益源を組み合わせた
「マルチバリューモデル」が成立している点です。
✅ アービトラージ収益(時間差の価格差を利益に)
電力市場では、時間帯によって電気の価格が大きく変動します。
系統用蓄電池を使えば、
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電気が安くなる昼間などに充電し、
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電気が高騰する夕方や夜間に売電することで
価格差を活用した「アービトラージ利益」を確保できます。
例えば、ある日のJEPXでは、昼間に1kWhあたり0.01円、夜間に26円と、
2,600倍もの価格差が発生した例もあります。これは、蓄電池による収益最大化の大きなチャンスです。
✅ 供給力の価値を活用した「安定収益モデル」
アービトラージに加えて、系統用蓄電池は以下のような
**“供給力価値”**にも報酬が発生する仕組みがあります。
💡 需給調整市場(ΔkW価値)
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系統運用者(送配電事業者など)の指示に従い、蓄電池で充放電を行います。
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その結果、需給バランスの維持に貢献した対価として、
**「調整力の提供報酬」**を受け取ることができます。
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これはVPP(仮想発電所)としての役割を果たす蓄電池ならではのメリットです。
💡 容量市場(kW価値)
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将来の電力供給に対する「供給力」を評価し、あらかじめ報酬が支払われる仕組みです。
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特に、10MW以上の蓄電池は「発電所」として認定され、
毎年実施される容量オークションに入札することが可能です。
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安定的な収入が見込めることから、金融機関の関心も高まっています。
4. 多様な機能とビジネスメリット
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⚡ 需給調整と周波数制御
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📊 電力市場での収益確保(売電)
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🧯 BCP対策(非常用電源)
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📉 ピークカットによる電力料金削減
5. 市場の成長性と今後の展望
2035年には、定置用蓄電池市場が約3兆4,000億円規模に拡大すると予測されています。
その中で系統用蓄電池は、脱炭素インフラとして最も投資価値の高いセグメントの一つです。
6. 初期費用を抑える「共有型」モデルとは
当社が提案する「共有型系統用蓄電池事業」は、
蓄電池コンテナを複数の法人でシェア保有するスキームです。
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💰 総額:1,000万円台から参入可能
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🤝 リスク分散と収益分配が可能
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🧠 専門ノウハウ不要で参入可能
中小企業でも“社会貢献×収益性”の両立が可能な、次世代型エネルギー事業モデルです。
7. まとめ:今こそ、新たなエネルギー事業の選択肢に
再エネの拡大と脱炭素の加速により、蓄電池市場は今後さらに拡大していくと考えられます。
その中で「系統用蓄電池」は、社会課題の解決と安定収益の両面から、非常に有望な事業分野です。
共有型モデルの活用で、これまで参入が難しかった企業にも門戸が開かれています。
“次の成長市場”として、今こそ情報収集を始めてみてはいかがでしょうか?
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※本記事に掲載しているデータ・数値・利回り等の情報は、すべて記事作成時点のものであり、
将来的な経済情勢・市場動向・制度変更等により変動する可能性があります。
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